主な研究内容

XFEL

© 理化学研究所 播磨研究所

米田研究室では兵庫県にあるSPring-8の施設でX線自由電子レーザー(X-ray Free Electron Laser: XFEL)装置を利用した実験を行なっています。 XFEL、通称SACLAでは2012年3月より共用利用が開始され、様々な分野の研究に利用されています。また、その試験加速器として建設された極端紫外線(Extream Ultra Violet: EUV)の自由電子レーザーでは高強度で安定した利用が可能となりました。 これらのEUV、X線・フ自由電子レーザーの登場により、高光子エネルギー領域においても利用できる光がインコヒーレントなものからコヒーレントなものになったことで時間的、空間的に集光することでこれまでにない高強度な光子場を作り出すことに成功しました。

高エネルギー密度状態

レーザー技術は1960年に初めてその発振が実証されて以来、 この半世紀の間に気体・固体レーザーの開発やその高出力化、短パルス化、短波長化等によって急速に発展していき、 現在では社会や生活において欠かすことのできない技術になっています。 特に、Warm Dense Matter(WDM)物性や高エネルギー密度科学と呼ばれる新しい物質状態科学に関する研究においては フェムト秒のパルス幅をもつ超短パルスレーザーはプラズマの生成・計測に於いて非常に重要なものとなっています。 また、最近ではX線領域の波長でレーザー発振するX線自由電子レーザー(XFEL)が日本でも初めて発振したことによって 新しい物質状態に関する実験研究が開始されています。米田研究室では、主に超短パルスレーザーを用いた プラズマの生成・計測からその物性の解明やプラズマの計測手法やそのための光源などの開発、 プラズマの応用に関する研究を行なっています。

強磁場発生

1000Teslaを超えるようなパルス強磁場を発生させる方法として提案されているレーザーアブレーション法を用いた超強磁場発生実験を行なっています。 このような強磁場を物質に印加することができれば、サイクロトロンエネルギーが電子遷移のエネルギーと同程度となり、新たな物性研究が期待できます。 また、固体密度程度のプラズマでもβ値(熱エネルギー/磁気エネルギー)が1を下回る高密度磁化プラズマの生成が可能となり、磁気リコネクション等を通し、磁場エネルギーの急激な開放現象研究にも応用できます。 現在観測されている最大磁場は、高出力レーザーをターゲットに照射したときにターゲット表層に発生した700MGとなっています。

学生研究紹介

(過去の学生研究は こちら から)

D3 道根百合奈

高強度レーザーのための超高耐力回折光学素子の開発

現在、世界最大のレーザー(米国国立点火施設:NIF)のエネルギーはMJ(メガジュール)に達し、欧州ではEW(エクサワット)を目指すプロジェクトが進められています。 しかしこれらの高強度レーザーにおいては使用する光学素子の大型化が問題となっており、従来の固体光学素子では今以上のスケールアップは不可能な領域に達しています。 そこでこの研究では、次世代の高強度レーザー開発に向けて、桁違いに大きな損傷閾値をもつ新しい光学素子の開発を行っています。

M2 近藤茂

レーザー干渉計を用いた衝撃波面のface on 計測手法の開発

種々の爆発現象や超短パルスレーザーの加工部、超新星爆発のといった天体現象において衝撃波が観測されている。 この衝撃波の測定は波面の微小な屈折率の変化を利用し、進行方向に対して垂直な向きからの行うことが一般的である。 しかし、これだけでは衝撃波面の安定性や境界面での乱れを考察するのに不十分である。 ゆえに、この研究では衝撃波の進行方向に対して正面からの観測を行える手法の開発を目指しています。

M1 三村幸祐

CO2レーザーを用いたレーザーダメージマネージメントの研究

高強度レーザー照射によって傷のついた光学素子を、CO2レーザーを使った表面加工を行うことによって修復し、再利用するための研究を行っています。 世界最大規模のレーザー核融合実験施設NIFのようなエネルギー密度8J/cm2にも及ぶ高強度UVレーザーの運用には光学素子の損傷が伴い、素子破壊の危険性や運用レベルの低下が危惧されます。 この研究では光学素子の機能を修復し、高強度レーザーの運用に再利用できるレベルの耐久性の復元を目指しています。

M1 宮崎涼

レーザーを用いたアーク放電制御の研究

一般的に、遮断器はアークのエネルギー密度を小さくすることでアーク放電を遮断しています。 しかし、この手法ではエネルギーの拡散により遮断器自身への損傷、また消弧剤により遮断内が汚れてしまうという欠点があります。 そこで私の研究では、短パルスレーザーを用いた電極部の金属-非金属転移による大きな抵抗成分の誘起により、アーク放電を遮断するという新たなアプローチを試みております。