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レーザー新世代研究センター 白川研究室

研 究 紹 介


 レーザー(LASER: Light Amplification of Stimulated Emission of Radiation)とは、励起状態の原子が基底状態に戻る際の誘導放出過程を用いて光をコヒーレントに増幅することを指す造語です。初めてのレーザーが1960年にMaimanによって実現されて以来、飛躍的な発展を遂げてきました。21世紀はまさにオプトピアと言うべき時代になることが期待されます。
 レーザー新世代研究センターでは、さまざまな新しいレーザーを生み出してきました。本研究室では、独創的なアイディアで、それらを更に飛躍させる次世代レーザーを目指して研究に取り組んでいます。

 多種多様なテーマに取り組んでいますが、3大キーワードは、ファイバーレーザー、セラミックレーザー、位相同期レーザーです。

1.高度電界制御ファイバーレーザーの研究フォトニックバンドギャップマルチコアなど、特異な導波路構造により電界を高度制御したファイバーを設計、開発し、新しい特性を発現するファイバーレーザーを研究しています。増幅自然放出や誘導非線形散乱などの物質固有の特性を、フォトニックバンドギャップのフィルタ特性で制御・抑制し、利得スペクトルを人為的にデザインして新しい波長のレーザーを実現したり、非線形限界を向上して大きなパルスエネルギーや高出力単一周波数動作を可能にすることを探求しています。

2.高出力超短パルスレーザーの研究開発
半導体励起高効率フェムト秒発振器・増幅器の研究開発を行っています。Y2O3などのセラミック材料を用いたフェムト秒セラミックレーザーや、カーレンズモード同期、アクティブミラー技術を融合したフェムト秒発振器の高エネルギー化、ファイバーレーザーと固体レーザーの両者の特長を組み合わせた新しい高平均出力・高エネルギー光源などを探求しています。非線形偏光回転モード同期やチャープパルス増幅などのフェムト秒ファイバーレーザーの研究も行っています。

3.新しい固体レーザー材料の探索、物質場制御
特に超短パルスレーザーの短パルス化を目指した新しい広帯域利得媒質を探索しています。異なる利得媒質の組み合わせにより利得スペクトルを拡大したり、活性イオンがランダムに配置され広い発光スペクトルを有する無秩序結晶新材料を開発しています。それらの基礎特性を評価してレーザーへと応用しています。また広帯域利得材料では吸収スペクトルも広帯域化するため多波長励起化が可能となります。それによる高出力化だけでなく、励起光スペクトル制御による利得スペクトル形状制御を目指します。

4.波長変換の研究
ファイバーラマンレーザーによるストークス光発生、高非線形ファイバーによる白色光発生、周期分極反転非線形光学結晶を用いた第二高調波発生など、高効率・高出力波長変換の研究を行っています。

5.位相同期アレイによるレーザーのパワー・エネルギースケーリング研究
単体では限界のあるレーザーの高出力化のために、レーザーを並列化し位相同期によりビーム結合させるコヒーレントレーザーアレイの研究を行っています。特にファイバーレーザーについて、別々のファイバーレーザーの複合共振器化や、ひとつのファイバーにたくさんのコアを設けたマルチコアファイバーに取り組んでいます。絶対的限界である自己収束限界、破壊限界を越えた高エネルギー化を目指しています。輝度の加算だけでなく、各レーザーの位相制御により出力ビームの方向・パターンの制御が可能になり、革新的な応用展開が期待されます。


電通大の研究室紹介誌OPAL-RINGでも紹介されています。




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