電気通信大学レーザー新世代研究センター

中川賢一研究室

レーザー冷却原子を用いた量子慣性センサーの開発
図1:原子干渉計による重力加速度測定
図2:冷却原子生成用の小型超高真空装置

物質波の干渉を用いる原子干渉計は様々な物理量の高精度な測定に利用できます。その中でも原子に働く力を原子干渉計によって高精度に測定する量子慣性センサーは、精密な重力加速度の測定や慣性航法などの高精度なナビゲーションなどに応用することができます。

現在、文科省の光・量子飛躍フラッグシッププログラム(Q-LEAP)において、この量子慣性センサーの研究開発を行っており、地球物理や資源探査などの分野で利用可能な小型で高性能な重力加速度計の実現を目指しています。2020年度は、開発した原子干渉計の基本動作の確認を行い、干渉信号より重力加速度の測定を行っています(図1)。また小型の可搬型重力加速度計の開発に取り組み、小型のガラスセルを用いた超高真空装置からなる原子干渉計のセンサーヘッド部の開発を行いました(図2)。既に開発した可搬型のレーザー光源と組み合わせることにより、実験室外のフィールドに移動可能な可搬型の重力加速度計が実現可能となります。このため、この開発した装置の動作確認および、性能評価を行って、実用化を行っていく予定です。