原子のレーザー冷却および捕捉
室温では原子は秒速数100m以上の速度で飛び回っていますがレーザー冷却と呼ばれる方法を用いて原子にレーザー光を照射すると原子は光の放射圧の力を受けてその速度をほとんどゼロにすることができます。
このレーザー冷却は通常、レーザー光と四重極子磁場を組み合わせて用いた磁気光学トラップと呼ばれる方法を用いて行われ、この方法によって秒速10cm以下の温度100mK以下の極低温原子を生成することが可能です（下図左）。
またレーザー光をレンズを用いて集光すると原子は光の強度が最大のところに集まるような力を受け、原子を空間的に閉じ込めることができます。これは光双極子トラップと呼ばれ、レーザー冷却によって得られる極低温原子を微小な領域に安定に1秒以上にわたって閉じ込めることができます（下図右）。
我々の研究室ではこの磁気光学トラップおよび光双極子トラップを用いて極低温のRb原子を生成して様々な実験に用いています。