中川研究室

UEC/ILS 原子光学グループ             

English

原子干渉計

レーザー冷却またはボース凝縮によって得られる10mK以下の極低温原子はもはや粒子としてよりも波としての性質が顕著に現れます。このためこれを物質波として操作することいより光と同様の干渉計を実現することができ、これは原子干渉計と呼ばれています。原子に働く様々な力をこの原子干渉計を用いて測定することにより様々な物理量の高感度・高精度計測に利用することができ、高感度なジャイロスコープや高精度な重力加速度計の実現が期待されています。

本研究室ではレーザー冷却87Rb原子を用いた原子干渉計による重力加速度計の開発およびアトムチップ上のBEC原子を用いた原子干渉計の研究を行っています。下図にボース凝縮(BEC)原子を用いた原子干渉計の構成例を示します。BEC原子は対向する2本のレーザー光によって二つの運動量状態に分割され、同様にレーザー光によって反射された後、再びレーザー光によって再結合されます。このとき原子の二つの行路の位相差に応じて原子の軌道が変化するため、終状態の原子の運動量を測定することにより干渉信号を得ることができます。