戸倉川研究室では国内外の企業・大学と協力し、現在以下のようなテーマに取り組んでいます。


高出力超短パルス中赤外固体レーザー

ファイバーレーザーによるin-band励起とTm添加Sesquioxide結晶を用いた波長2μm帯超短パルス光源の開発。
Tm添加Sesquioxide結晶は他のTm添加結晶と比べて非常に優れた特徴、例えば
@H2Oの吸収が少ない2000 nm以上の波長帯において大きな蛍光断面積を有し
A大きなシュタルクシフトの影響で室温準4準位レーザー動作が可能であり
B優れた熱機械特性を有している
などといった特徴を有しています。これと高出力・高品質なファイバーレーザー励起光源を組み合わせることによって、
波長2μm帯固体レーザーにおける世界で初めてのカーレンズモード同期発振を実現し、最高ピーク光強度を実現しています。
今後の目標としては波長2μm帯の最短パルス発生や、非線形波長変換では難しい、高効率、高出力な波長2μm帯超短パルス光源の開発を目指しています。


2um帯超短パルスファイバーレーザー

波長2μm帯のファイバーレーザーはモードエリア拡大がし易く(∝λ二乗)、ラマン散乱やブリルアン散乱などといったファイバーレーザー の電界強度限界を決める非線形効果の抑制が可能です。即ち現在の主流である波長1μm帯ファイバーレーザーでは到達できない電界強度や出力特性を可能とします。 我々は小型でメンテナンス性や可搬性を考慮した応用上望ましい、ファイバーレーザーの開発を目指しており、半導体可飽和吸収体鏡を用いた波長可変ノイズ ライクソリトンモード同期発振、非線形ループミラーを用いた全ファイバー型高パルスエネルギー発振器、10Wレベル増幅器、非線形偏波回転を用いたソリトン モード同期発振器を実現しています。これらの光源を用いて超広帯域白色光発生、有機ポリマー材やシリコン材料のレーザー加工などの応用を目指しています。



増幅自然放出光光源・超広帯域光源・波長可変光源
上述のレーザー光源を励起光源とした、波長帯2-20μm中赤外波長変換を目指しています。



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各研究の詳細はある程度の結果を得て公式な報告をした後に記す予定です。