レーザー光で原子をとめる!!
一般に気体原子は室温で数百m/sの速度で飛び回っています。
(実際に私達はそれを気圧という尺度で感じています。)
そこで、レーザーを当てて、その運動エネルギーをうまく吐き出させてやると、1m/s程度にまで
減速させることが出来ます。
さらに、この様な超低速原子は、 レーザー光と磁場により作り出される非常に浅いポテンシャルの底に集められ、空間の一点に閉じ込めることができることから、「レーザートラップ(laser
trap)」と呼ばれています。
また、これらの原子の運動エネルギーを温度であらわすと、1mKから数μKという超低温であるため、この技術は「レーザー冷却(laser
cooling)」と呼ばれています。
レーザー冷却・トラップの研究分野は、ごく最近になって急激に発展し、基本的メカニズムの解明と応用の開拓が期待されています。
また、このように非常に低速な原子の物質波の波長は数十nm程にもなり、
物質波においても、回折や干渉などの光学的な性質が、比較的容易に観測できるようになります。
従って、現在、原子用の鏡やレンズの開発が進み、「原子操作(atom
manipulation)」という技術の確立が望まれています。
近年、この分野は従来の光学に対して、「原子光学(atom
optics)」と呼ばれ注目されています。
今年度の研究テーマ
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リチウム原子を用いてのレーザートラップにおける量子効果の研究
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ネオン原子を用いての原子レンズの開発
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光ブラックホログラムによる原子操作の研究
もう少し詳しい説明
清水研ホームページ